薄毛に悩んでいるスーツの男性
錠剤

「AGA治療薬を使用すれば毛髪が抜けなくなる」と、思っている人は多いのではないでしょうか。
そのような先入観で治療薬を使った場合、使用している間に脱毛が起こると「このAGA治療薬は効果が無い」というイメージが強くなり、使用を途中で止める結果になりがちです。
AGA治療薬には、脱毛を予防する働きをするものと、発毛を促進させる働きをするものの、2種類に大きく分類できます。
その中においてミノキシジルは、主に発毛を促進させる働きをし、その効果も高い治療薬となります。
発毛促進効果が高いのならば、当然脱毛は起こらないと考えてしまいますが、ミノキシジルを使用しても脱毛が起こる場合があります。
では、ミノキシジルの使用後に起こる初期脱毛は、AGA治療には問題ないと言えるのでしょうか。

ミノキシジルの使用で初期脱毛が起きる原因とは?

ミノキシジルで起こる初期脱毛とは、ミノキシジルの働きによって引き起こされる副作用の一つで、毛髪が抜け落ちる現象をいいます。
副作用と聞くとその全てが頭皮や毛髪、また人体に、何らかの悪影響を与えるようなイメージがありますが、ミノキシジルなどのAGA治療薬の使用後に起こる初期脱毛の原因は、プラス要素の高い 副作用なのです。
初期脱毛がみられたということは、「ミノキシジルの効果が出始めた」という証拠でもあり、毛根でミノキシジルがしっかりと働いているという喜ばしい結果でもあるのです。
従って、落ち込むことは全くなく、むしろ喜んで良いのです。
ミノキシジルは初めから発毛目的で開発された成分ではなく、元々は血管拡張剤として開発されました。
そのため、当初は高血圧を改善させる経口薬として利用されていました。
高血圧患者にミノキシジルを投与すると、脱毛症の患者の頭皮に髪の毛が生えてきていることに気付き、ミノキシジルと発毛の研究が重ねられ、その効果が認められたのです。
ミノキシジルには頭皮内を流れる血管を拡張させる効果があり、より多くの血液を循環させることができます。
これによって、通常よりも多くの酸素と栄養成分を頭皮に送り届けることができるようになります。
毛髪が生まれるには、毛髪の卵とも言える毛球が育たなければならず、その毛球が生まれるには核となる毛母細胞が活発に細胞分裂をしなくてはなりません。
ミノキシジルの使用で起こる初期脱毛の原因は、血液量が増えて多くの酸素や栄養素が毛母細胞に運ばれ発毛が促進されることで、弱った毛髪を押し出して健康な毛髪を育てようとするからです。
健康な髪1本1本における ヘアサイクルの期間は2年~6年程度と同じですが、早期成長期のスタートは1本1本異なるため一度に大量の毛髪が抜け落ちることはありませんが、ミノキシジルを使用することで各毛髪の毛乳頭に栄養が行き渡り、細胞分裂が促進されるため通常よりも多くの毛髪が抜け落ちやすくなります。
しかし、この脱毛はミノキシジルを使用してから初期の段階で起こる現象であり、その後は同じような脱毛症状は起こりません。
AGA治療薬を使用した後に初期脱毛が起こるのは、治療薬の中でもよりAGA改善効果の高い成分を使用した時です。
従って、初期脱毛はミノキシジルだけに起こる副作用ではなく、脱毛を抑制させるAGA治療薬(AGAの原因の一つである男性ホルモンのDHT(ジヒドロテストステロン)を作りだす、5α-リグターゼという原因酵素を阻害する効果を持つ)と、そのジェネリック医薬品でも初期脱毛の副作用が起こります。
AGA治療薬を使用してから初期脱毛が現れるまでの期間としては、患者さんのヘアサイクルなどによっても多少の誤差がありますが、およそ1ヶ月~2ヶ月が目安となっています。
治療薬を使用し始めて1ヶ月~2ヶ月程度経過すると、初期脱毛の副作用のことを忘れてしまう場合もあります。
そこに大量の脱毛症状が起こるとびっくりすることもあるでしょう。

初期脱毛の期間を知っておきましょう

治療薬使用後1ヶ月~2ヶ月という目安期間を知っておくことで、それが初期脱毛だと把握することができます。
もし、初期脱毛という副作用が起こる場合があるということを把握していないと、1ヶ月~2ヶ月経過した時期に大量の抜け毛を見て慌ててしまうでしょう。
そして、人によってはこれ以上の脱毛を避けたいとAGA治療薬の使用を止めてしまうかもしれません。
発毛効果の高いミノキシジルの使用を止めてしまうと、たとえ毛髪が生えてきても早期成長期から中期成長期に行かず、一気に後期成長期に進んでしまい健康で丈夫な毛髪が生えてこなくなります。
これでは、健康で丈夫な毛髪が育たず退行期・休止期と進んで抜け落ちる結果となってしまいます。
従って、ミノキシジルを使用する際には、1ヶ月後以降に初期脱毛が起こるという前提で使用するようにしましょう。

ミノキシジルの使用でヘアサイクルを正しいものにする

初期脱毛によって抜け落ちた髪の毛と、頭皮に生えている髪の毛を比較してみると分かりやすいですが、抜け落ちた髪の毛は、ヘアサイクルの乱れが原因で健康的に成長しなかった弱い髪の毛なのです。
こうした髪の毛が抜け落ちたからといってその後に髪の毛が生えないということは無く、むしろ抜け落ちた髪の毛よりも太くて健康な髪の毛が生えやすくなるのです。
毛髪は、ヘアサイクルを経て成長していきますが、このヘアサイクルとは髪の毛が生え始めて抜け落ちるまでの期間のことをいいます。

ヘアサイクルの段階について

ヘアサイクルにはいくつかの成長段階があり、それが(1)成長期・(2)退行期・(3)休止期です。
それぞれの期間は一定ではなく、2週間~6年程度と違いがあります。

成長期

成長期には、「早期成長期」・「中期成長期」・「後期成長期」があり、このステップを踏んで毛髪は成長していきます。
早期成長期は、休止期を迎えた毛髪が脱け落ちて新たに毛髪が成長し始めるまでの期間です。
中期成長期は、毛髪の成長が始まり成長しきるまでの期間です。
後期成長期は、毛髪の成長が完全に終わり、毛球が衰え始めてから毛球が完全に退化するまでの期間をいいます。
早期成長期~後期成長期が終わるまでの期間は、通常ならば2年~6年程度あり、ゆっくりと時間をかけて健康な毛髪に成長していきます。

退行期

毛髪の成長が止まる期間です。毛髪が完全に成長すると、徐々に毛の根元にある毛球が衰退し、やがて成長が止まります。
成長期が数年と長いのに比べ、退行期は毛球が完全に衰えるまでの期間は、およそ2週間と3つのステップの中で最も短いです。
毛球の衰退が始まると、これまで時間をかけて成長してきた毛髪も、たった2週間で退化してしまうのです。

休止期

毛髪の成長が完全に止まった状態で、抜け落ちる時期を待っている期間となります。
毛髪が抜け落ちる時期は、毛球が完全に退化してしまった時のように感じますが、毛球が退化してもすぐには抜け落ちることはありません。
脱毛は、新たな毛髪が生まれて成長し始めることで、古い毛髪を押し上げて起こる現象です。
従って、通常の脱毛は新しい毛髪が成長し始めた証拠でもあるのです。
休止期の期間は、およそ3ヶ月~4ヶ月です。この期間に新しい毛髪が誕生するのです。

ヘアサイクルが正常に機能していれば、毛髪は数年かけて一連のステップを踏んで成長をしていきますが、AGAになると早期成長期~後期成長期までが数ヶ月~1年程度と、急激に短縮されてしまいます。
しかし、退行期は2週間程度、休止期は3ヶ月~4ヶ月と通常時と変わりません。


AGAを発症していない健康的な髪のヘアサイクルは、このような期間で成長していきますが、AGAになると成長期の期間が急激に短縮されてしまうため、貧弱な髪の毛ばかりが増えてしまいます。
貧弱な毛髪は、当然のことながら成長し切る前に抜け落ちてしまうものが多く、また1本1本がとても細いので薄毛に見えてしまいます。
AGA治療でミノキシジルを使用する目的は、丈夫で健康な髪のを生やすことですが、その他に細くて貧弱な髪を排除して、健康的な髪を育てる環境を整えるという目的も持っています。
初期脱毛が起こるということは、正常なヘアサイクルへと変えていく第一歩でもあると言えます。
ミノキシジルを使用してから初期脱毛が起こった際には、抜け毛がいつもよりも増えてしまったと落ち込むのではなく、「これから生えてくる髪の毛をどのように健康で丈夫にするか」を考えることが大切です。
そのため、そこでミノキシジルの使用を止めてしまうのではなく、その効果を信じてその後も使用し続けることが重要なのです。
AGAの治療はヘアサイクルに合わせて行われていくため、2週間~半年程度の短期間で終わるものではありません。長期的治療が必要となるため、治療薬を使い続けていくことが大切なのです。

脱毛が続くなら別の病気の可能性もある

初期脱毛によって抜け落ちる毛髪の本数は、人によって違いはありますが1日平均数十本~100本、多い人で400本程度といわれています。
また、なかには初期脱毛が全く起こらない人もおり、個人差があります。初期脱毛で抜け落ちる毛髪は、栄養分を十分に与えられなかった貧弱な毛です。
ということは、栄養バランスの良い食事を摂り、規則正しい生活をしている人は抜け落ちる毛髪の本数も少ないですが、不健康な生活を送っている人は抜け落ちる毛髪の本数も多くなる、ということでもあるのです。
AGAが起こる原因は、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)が多くなることで、そのDHTの生成に係わっているのが、5α-リグターゼと呼ばれる還元酵素です。しかし、その他にも原因があり、特に生活環境が大きく関わっています。
例えば、睡眠不足は毛髪の成長に関わるホルモンの分泌を減少させます。ストレスを受け続けると、自律神経のバランスを崩し、血流低下や新陳代謝の低下、ホルモンバランスを乱す要因となります。
アルコールの摂り過ぎは、アルコールの成分が髪の成長に必要な栄養素を分解してしまいます。タバコは、血管を収縮させる作用があるため、頭皮まで十分な栄養分を送り届けられなくなります。
このような要因が続くことで、AGAの発症を促進させてしまいます。AGAの治療では、ミノキシジルを使用して発毛を促進させるだけでは完璧ではありません。
なぜなら、ミノキシジルには発毛促進効果はあっても、脱毛を防止する効果は無いからです。そのため、ミノキシジルを使っているからといって、不規則な生活をしても良いわけではないのです。
生活環境を整えることで、初期脱毛で抜け落ちる毛髪を減らすことも可能なのです。ミノキシジルの効果が出始めるのは、個人差はありますがおよそ3ヶ月~6ヶ月程度経過した頃です。
このころから、徐々に毛髪が増えてきたと実感できればAGA治療の効果があると言えます。ただし、6ヶ月以降に効果が出始める人もいるので、使い続けていくことが大切です。
しかし、長期間使用し続けても脱毛が治らないという場合には、AGA以外の可能性も考えられます。
AGA以外で脱毛が考えられる原因は、他の病気によるものです。

脱毛が起こる病気について

脂漏性脱毛症

皮脂が通常よりも多く分泌されることで起こる脱毛で、過剰な皮脂が頭皮の毛穴を塞ぐことで起こります。
毛穴に皮脂が溜まると、その後皮脂が酸化して老廃物に変わります。
その老廃物が毛穴を塞ぐと供に、刺激によってを炎症を起こしてしまい、それが原因で抜け毛を招きます。

粃糠(ひこう)性脱毛症

脂漏性皮膚炎に伴って起こることがあり、頭皮全体に細かく灰白色をしたフケが大量に発生します。
このフケは固く、頭皮にピタリと付着するため炎症を起こしやすく、かゆみを伴います。
また毛穴も塞いでしまうため、抜け毛が起こります。

円形脱毛症

髪の毛が円形に抜け落ちてしまう症状で、自己免疫機能(細菌やウイルスから身体を守る免疫機能)が原因で起こることが多いです。
本来ならば、免疫機能が抵抗する相手は細菌やウイルスであるはずなのですが、何らかの原因で自分自身の体内組織に攻撃を与えてしまうことで起こります。
その要因の一つがストレスなどの精神的症状です。過度のストレスは自律神経のバランスを崩してしまいます。
こうした要因が免疫機能の異常につながるとされています。

内分泌疾患

下垂体・甲状腺・副腎などの内分泌系に異常が起こると、脱毛を引き起こすことがあります。
特に甲状腺機能低下症では、全体の髪が大量に抜け落ちるびまん性脱毛が起こります。
また甲状腺機能亢進症(バセドー病)では、低下症よりは脱毛具合は低いですが、頭全体でびまん性脱毛が起こります。

このように、AGA以外でも脱毛を引き起こす病気は数多くあります。
従って、長期間ミノキシジルを使ったAGA治療を行っても脱毛が改善されない場合には、他の病気が隠れている可能性も考えられるため、早めに医師に相談しましょう。

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